2024年12月に開催された第118回品質管理シンポジウムでは、
参加者の多くが品質管理に携わる方々であり、
議論は経営視点と現場の視点を融合する内容となりました。
特に注目されたのは、
「継続的な顧客との信頼関係の構築」
「変化に強いマネジメント体制」
「多様な人材を活用する仕組み」の3点です。
これらは、商品企画や価値創造といった経営の根幹に直結する内容です。
企業及び組織、品質管理の担当者が経営に貢献するためには、
顧客の真のニーズを捉え、それを具現化する商品企画が重要となります。
重要なのは顧客要求を実現するような
仮説提案が鍵を握ります。単に顧客要求といっても、
企画側の強みを活かした製品を仮説として検証することです。
例えば、顧客価値検証で用いられるポジショニング分析を活用すれば、
市場環境や自社の強みを明確にし、品質を基盤とした差別化戦略が可能となります。
品質管理の観点からも、
製品やサービスの方向性を的確に見極めることができます。
また、顧客価値を創造するには、
顧客の重視する要素や仕様を具体的に把握する必要があります。
コンジョイント分析を用いることで、顧客が求める品質基準や付加価値を明確化し、
それを製品開発や改善活動に反映することができます。
このプロセスは品質管理者が果たすべき役割とも重なり、
経営層への具体的な提案につながります。
さらに、多様な人材の活用を促進するには、
現場からの顧客情報や創造的なアイデアを集約し、
それを経営の視点で評価する仕組みが重要です。
品質管理の専門家は、異なる部署や職種との連携を深めることで、
新たな視点を取り入れた商品企画の実現に貢献することです。
これにより、品質向上だけでなく、競争力のある価値創造が可能となります。
商品企画は、品質管理に携わる方々にとっても、
組織全体の目標を達成するための重要な役割を果たします。
価値創造を軸に据えた経営と品質管理の連携が、
変化に強い企業を実現するポイントとなるでしょう。