専門家に評価されているのになぜ売れないのか

 

今回は専門誌や専門家の評価が高い商品が売れなかったことについてお伝えします。

コロナ禍前ですが、商品開発に携わった事例からその対策の内容をお伝えします。

商品名やテーマは挙げられないのですが、
耐久消費財、価格帯は高め、市場は成熟しているものでした。

  • 開発担当者の悩みは以下の通りです。
    ・使用ユーザーのニーズを活かした商品化を行った
    ・他社に比べ新しい機能を追加した
    ・この商品の専門誌から高い評価を得ました
    ・さらに専門家からも高い評価を得られました
    ・新しい市場を開拓する上では一定の評価を得ました
    ・社内の評価は良く、上市もうまく行った

開発商品の使用テスト

私はその商品を借りて使ってみました。
・最初は全く使えません、
この商品の旧機種を使っている人に聞いて
教えてもらうとやっと使えました。
使えても、他社の方が使いやすく、正直私はユーザーではないと思いました。

しかし、この商品を使っている人から伺うと、
機能が追加され、良くなりました。
買い替えようかな。と言っています。

この両者の違いが売れない原因を作っています。

  • 問題となっている商品を所感は
    ・非常に狭いマニアユーザー向け
    ・新しい機能も狭いマニアユーザーが好むもの
    ・先行する商品があり、この商品の二番煎じ
    ・専門家は顧客ニーズを代弁しているわけではありません
  • 商品企画七つ道具を活用する有効性
    ・商品とその顧客に焦点を当てて、商品の不満や要望を探ります
    ・マニアの商品評価とその周辺顧客の不満や要望の違いを探ります
    ・これらを踏まえて、商品評価の定量化をします
    ・新機能や追加機能の具体的仕様を定量的に調査をします

この商品の問題を支援する上で以下の流れで実査を行いました。

  • 商品企画七つ道具手法の活用
    ・インタビュー調査
    ・アンケート調査
    ・ポジショニング分析
    ・コンジョイント分析
  • 調査対象者の設定
    ・マニアユーザーとマニアから少し異なるユーザー
    ・対象の考え方、価値観を確認する
    ・市場を広げるためにはマニアから万人向けへ変える
  • 実機を使ったインタビュー調査では、
    ・評価の良い層、悪い層の実態
    ・マニアの評価
  • アンケートでは、インターネットアンケートを活用し、
    ・ユーザーの拡大のため評価層を広げる
    ・評価の悪い層から期待した機能評価、使いやすさの評価
  • ポジショニング分析
    ・この商品の当たり前機能
    ・この商品の追加機能
    ・他社の追加機能
    ・機能の評価を行いました
  • コンジョイント分析
    ・当たり前機能の評価と使いやすさ
    ・追加機能評価と使いやすさ
  • 分析結果
    ・マニアユーザー、ややマニアユーザー、一般ユーザーでの評価の違い
    ・女性の評価
  • ここでのポイント
    ・実機を用いて機能の評価、操作性を確認しました
    ・ユーザー別に定量的に機能評価を行いました
    ・当たり前の機能に不備はないか、追加機能に過剰はないか確認を行いました
    ・女性を活用しました