今回は商品企画七つ道具の手法の経緯、変遷について
初期段階をお伝えします。
商品企画七つ道具は、商品開発において真の消費者ニーズに応えるため、
1995年に考案された手法群です。企画から設計に至るまでの各工程を支援し、
製品の競争力を高めることを目指しています。
この手法群は、①自由、刺激、挑戦をテーマとした発想法から、
②システム、安定、定期的なマーケティング課題への対応、
さらには③仲間と共にチームで取り組む協力作業、
④学術的かつ研究的アプローチによる消費者ニーズの把握と最適な商品コンセプト開発に至るまで、
幅広い視点を持つことが特徴です。
当時は消費財の改良品対策として、以下の手法を提案しました。
- 商品企画七つ道具(P7)
- ①グループインタビュー
- ②アンケート調査
- ③ポジショニング分析
- ④発想法:発想チェックリスト
- ⑤発想法:表形式発想法
- ⑥コンジョイント分析
- ⑦品質表
開発の流れと手法
- ニーズの把握=①グループインタビュー
- ニーズの検証=②アンケート調査
- 商品空間の検討=③ポジショニング分析
- コンセプト発想=④発想法発想チェックリスト、表形式発想法
- 最適コンセプトの決定=⑥コンジョイント分析
- 設計とのリンク=⑦品質表
手法の目的は
①②③:調査の手法
消費者のニーズ、ウォンツを探り、定性・定量的に方向づけを行います。
④⑤:発想の手法
ユニークで魅力的な商品コンセプトを発想します。
⑥:最適化の手法
消費者ニーズに沿った最適なコンセプトを決定します。
⑦:リンクの手法
得られた商品コンセプトを設計にリンクします。
これらの7つの手法を活用すると、消費者ニーズの商品企画が構築できると
提案しました。
商品企画七つ道具の手法
①グループインタビュー
消費者が自由に意見を交わすことで、生活実態や製品利用時の不満を把握し、ニーズを探ります。
この手法は特に自由や挑戦の発想を引き出し、消費者の本音を明らかにすることに役立ちます。
②アンケート調査
大規模な消費者データを収集し、仮説を定量的に検証するための手法です。
これにより、消費者のニーズに沿ったシステム的で安定したアプローチが可能となります。
③ポジショニング分析
市場内での製品位置を可視化し、競合製品との比較を行います。チーム全体で協力し、
戦略的なマーケティングの一貫性を保つための基礎データを構築します。
④発想法:発想チェックリスト
オズボーンの発想チェックリストを活用し、多様なアイデアを生み出すための手法です。
自由で刺激的な発想環境を提供することで、新たなアイデアの創出と挑戦を促進します。
⑤発想法:表形式発想法
表形式でアイデアを整理する手法であり、効率的なアイデア創出を支援します。
このアプローチは、システム的な安定性を保ちながらも新たな発想を追求するために最適です。
⑥コンジョイント分析
消費者に対して複数のコンセプト案を提示し、最適な商品コンセプトを導き出す手法です。
これにより、消費者が求める要素をデータに基づき評価し、システム的な商品開発が実現します。
⑦品質表
商品コンセプトを設計段階にまで具体化するための手法です。
学術的視点から消費者ニーズと設計プロセスを結びつけ、確かな製品価値を追求します。
商品企画七つ道具の価値
商品企画七つ道具は、自由で挑戦的な発想と、
安定性とシステム性を重視するマーケティング戦略の両立を可能にします。
さらに、チーム一丸で取り組むことで個人の意見が組織全体の改善に結びつきます。
また、学術的かつ研究的アプローチに基づく市場分析を通じて、新しい価値創出の基盤を形成します。
商品企画七つ道具は、アイデア創出から設計への落とし込みに至る
全工程において活用可能な強力なツールです。
自由な挑戦、システム的管理、協力的なチームアプローチ、
そして学術的研究という視点で、今後も多くの分野でその効果が期待されるでしょう。
次回は2000年に改良された商品企画七つ道具についてお伝えします。