今回は商品企画七つ道具の6番目の手法であります
コンジョイント分析についてお伝えします。
・コンジョイント=conjoint
・con=「共に」、joint=「繋げる」
多くのものを繋げるの意味になります。
コンジョイント分析に入る前に、
最も良い新商品コンセプトを決めるにはどうしたらよいでしょうか。
・顧客が欲しいと思う商品案であることです。
=作り手からいえば、顧客要求を満たした新商品になります。
新商品案が複数ある時に、
最も良い商品コンセプトはどのように決めますか。
また、新商品コンセプトは何でしょう。
なお、商品コンセプトである
顧客ニーズにふさわしいコンセプトとは
・誰の
・どのようなニーズを
・どのような手段
・どのレベルまで満たしたか
を顧客の調査した企画案をいいます。
企画案作成には、無論
・ニーズの発掘
・コンセプトを考案するための調査 が含まれます。
新商品の仕様の組み合わせ
カップラーメンであれば、
・パッケージデザイン
・麺の量
・カップの形状
・麺の素材
・麺の太さ
・スープの味
・スープが粉末か液体か
・具の量
・具の種類
・価格
・メーカーやブランド
などが仕様の一部になります。
わかりやすくするために仕様を絞り込みます。
・スープ
シーフード味
豚骨味
・具
乾燥具材
本格具材
・麺1
フライ麺
ノンフライ麺
・麺量
100g
150g
・容器
お椀型
筒型
・麺2
太麺
細麺
・価格
100円
150円
コンジョイント分析を説明する上で、
聞き慣れない言葉を説明します。
仕様は属性:例 スープ
具体案は水準:例 シーフード味、豚骨味
先ほどのカップラーメンの例では
7属性、2水準になります。
全ての組み合わせを評価仕様とすると
2の7乗である128案の評価が必要となります。
全ての組み合わせを評価するのは無理なので、
特定の組み合わせだけ評価してもらうことにしました。
・シーフード味、100円
・シーフード味、お椀型
・シーフード味、乾燥具材
シーフード味が多く組み合わされて、
これは客観的、科学的ではなくなります。
そこで、各属性の各水準が偏らず、平等に出るように
組み合わせを作ることを考えます。
単純にするために
3属性、2水準にします。
・スープ
シーフード味
豚骨味
・具
乾燥具材
本格具材
・価格
100円
150円
3属性で4つの組み合わせを作り、
・各属性の各水準が1列に2回ずつ出るように、
・異なる属性同士の水準組み合わせが1回ずつ出る
組み合わせ案
1:シーフード味、乾燥具材、100円
2:シーフード味、本格具材、150円
3:豚骨味、乾燥具材、150円
4:豚骨味、本格具材、100円
属性が多くなり
7属性、2水準の場合
8組み合わせ案で可能となります。
・各属性の各水準が4回出る。
・異なる属性同士の水準組み合わせが2回出ます。
このように、
・各属性の各水準が同じ回数出る
・異なる属性同士の水準組み合わせが同じ回数出る
表のことを直交表、正式には直交配列表といいます。
直交表はラテン方格、ラテン方陣とも言われ、
パズルの一種である数独はラテン方格を応用しています。
さて、数独は9×9の正方形の表で
・空いているマス、1~9のいずれかの数字が入ります。
・縦横の各列に同じ数字は入れてはいけません。
・太線の3×3のブロック内に同じ数字を入れてはいけません。
直交表を用いることで、全ての組み合わせを評価せずに
少ない組み合わせで同等の評価が得られます。
これは、少ない組み合わせを客観的、科学的に行う方法として使われます。
コンジョイント分析は
組み合わせ案を購入意向、使用意向などの総合評価を
5段階評価など得点で評価してもらいます。
カップラーメンの分析結果によると
スープがシーフード味だと全平均値+0.11の効果があります。
全平均値は3.28
具が本格具材だと全平均値+0.24のこうかがあります。
つまり、シーフード味で本格具材なら、
全平均値+0.11+0.24。
全体で最適になるのは、水準がすべて+の項目を足し合わします。
・全平均値:3.28
・シーフード味+0.11
・乾燥具材+0.24
・フライ麺+0.47
・麺量150g+0.01
・お椀型+0.03
・太麺+0.01
・価格100円+0.01
最適水準効用値=4.17
他の組み合わせの効用値が知りたい場合は、
効用値の結果を参照して、
全平均値と水準の効用値の値を足します。